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第14章 総まとめ ・ レッスン14-1

講座全体の振り返り。犯罪学の地図をもう一度たどる

約4分 ・ 公開日 2026-10-05

このレッスンの問い

ここまでの13章をひとことでつなぐと、どんな順番の話だったと思いますか?

読む前に、答えを少しだけ予想してみてください。当たっていなくても大丈夫です。

01講座は5つの段階でできている

この講座は、数える、なぜ起きるのか、被害者、手続きと立ち直り、犯罪の種類と政策、の5段階で進みます。

第1章では、犯罪をどう数えるかを学びました。警察が知った認知件数と、統計に入らない暗数です。この先の話は、すべてこの数え方の上に立っています。

次に、なぜ犯罪が起きるのかを4つの見方で考えました。そのあと被害者の側に目を向け、社会がどう対応し、人がどう立ち直るかをたどりました。

最後の第12〜13章では、犯罪の種類ごとの動向と、効く対策を考えます。表で、章と問いの対応を確かめてみましょう。

02「なぜ起きるのか」は4つの見方で考える

犯罪の原因は1つではなく、個人・社会・場所・人生という4つの見方を重ねて考えます。

個人の見方では、罰への恐れや自己統制など、その人の側の要因を調べました(第2〜3章)。社会の見方では、地域のつながり、周りから学ぶこと、貼られるレッテルを扱いました(第4〜5章)。

場所の見方では、犯罪が起きる3つの条件と、起きにくい場所の造りを学びました(第6章)。人生の見方では、10代で増え、やがて犯罪をやめていく道すじを見ました(第7章)。

4つは対立するものではなく、同じ出来事を別の角度から照らすレンズのようなものです。1つの見方だけで「原因はこれだ」と決めないことが大切です。

03すべての章をつなぐのはデータ

どの章も、統計や研究のデータで確かめるという同じ姿勢でつながっています。

代表的な一次情報が、法務総合研究所がまとめる犯罪白書です。昭和35年版(1960年)から続き、最新版は令和7年版(2025年)です。

令和7年版の特集は「犯罪被害の実態」で、犯罪被害の暗数などを取り上げています。第1章の暗数と第8章の被害者学が、ここで1つにつながります。

たとえば、ニュースで「ある犯罪が増えた」と聞いたとします。まず数え方を確かめ、次に4つの見方で理由を考え、被害者と対策に目を向ける。この順番が、講座で身につけた考え方の地図です。

段階章中心の問いおもな言葉
数える第1章犯罪はどれだけ起きているか認知件数・暗数
なぜ起きる(個人)第2〜3章その人の何が関係するか抑止・自己統制
なぜ起きる(社会)第4〜5章周りの人や地域はどう関係するか社会解体・社会的絆・ラベリング
なぜ起きる(場所)第6章どんな場所で起きるか日常活動理論・ホットスポット
なぜ起きる(人生)第7章年齢とともにどう変わるか年齢犯罪曲線・離脱
被害者第8章被害に遭った人に何が起き、どう支えるか反復被害・被害者支援
手続きと立ち直り第9〜11章社会はどう対応し、人はどう立ち直るか家庭裁判所・起訴猶予・再犯防止
種類と政策第12〜13章犯罪ごとの動向と、何が効くか財産犯・特殊詐欺・エビデンス
講座の地図。5つの段階と、それぞれの中心の問い

あなたの場合は?

最近気になった犯罪のニュースを1つ思い浮かべてください。表の5つの段階のうち、あなたはどこから考え始めますか?

答えを書く必要はありません。少し思い浮かべるだけで、記憶に残りやすくなります。

覚えるのはこの3つ

  1. 講座の地図は5段階。数える→なぜ起きる→被害者→手続きと立ち直り→種類と政策
  2. 「なぜ起きる」は、個人・社会・場所・人生の4つの見方を重ねて考える
  3. どの章もデータで確かめる。代表的な一次情報は犯罪白書(最新は令和7年版)

TERMSこのレッスンの用語

犯罪白書White Paper on Crime

法務総合研究所がまとめる、日本の犯罪の動向と犯罪者の処遇の実情の報告書。

一次情報Primary source

調査や統計を行った機関や研究者自身が公表した、元の資料。

LESSON 14-1 の確認

確認問題(全3問)

本文を見ずに答えてみましょう。思い出そうとすることが、いちばんの復習になります。

Q1. 令和7年版犯罪白書の特集「犯罪被害の実態」と、特に深くつながる講座の2つの章はどれでしょう?

答えを見る

正解: 1. 第1章(暗数)と第8章(被害者学)
特集は犯罪被害の暗数などを取り上げています。統計に入らない被害(第1章)と、被害者の側から見る研究(第8章)がつながります。

Q2. 10代後半に非行をした人が、20代で仕事や結婚をきっかけに犯罪をやめていきました。この道すじを考えるのに最も合う見方はどれでしょう?

答えを見る

正解: 2. 人生の見方
年齢とともに犯罪が増え、転機をきっかけにやめていく道すじは、人生の見方(第7章のライフコース犯罪学)で扱いました。

日常の場面で考える

Q3. 友人が「最近、空き巣のニュースが多いから、治安が悪くなった」と言いました。講座の地図に沿うと、最初に確かめたいことはどれでしょう?

答えを見る

正解: 1. 認知件数の推移や、数え方と暗数
惜しい選択肢もありますが、ここがポイントです。ニュースの多さは件数の多さとは限りません。まず数え方を確かめます。体の特徴の説は第2章で否定され、刑の重さより捕まる確かさが効くことも学びました。

レッスン14-1はここまでです

迷った問題は、その見出しの本文を読み直してから次に進みましょう。間違えた問題は復習ページに自動で入ります。

第14章 総まとめ のレッスン一覧
  1. 14-1講座全体の振り返り
  2. 14-2無料で読める公的な資料

講座の目次(全14章)へ

出典(2件)
  1. 法務総合研究所「令和7年版 犯罪白書」目次(法務省)
  2. 法務省 法務総合研究所「犯罪白書」(各年版の一覧)