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第14章 総まとめ ・ レッスン14-2

無料で学び続けるには?犯罪学の公的な資料の入口

約5分 ・ 公開日 2026-10-05

このレッスンの問い

「最近、犯罪が増えているらしい」と聞いたとき、あなたはどこで確かめますか?

読む前に、答えを少しだけ予想してみてください。当たっていなくても大丈夫です。

前のレッスンの復習(1問)

本文に入る前に、前のレッスンを思い出してみましょう。

レッスン14-1から

Q1. 前のレッスンの復習です。講座で「なぜ犯罪が起きるのか」を考えるときに重ねた4つの見方はどれでしょう?

答えを見る

正解: 1. 個人・社会・場所・人生
個人(第2〜3章)・社会(第4〜5章)・場所(第6章)・人生(第7章)の4つでした。1つの見方だけで原因を決めないのがポイントです。

01日本の犯罪の数は、白書と警察の統計で

日本の犯罪の動きは犯罪白書で、いちばん新しい数は警察庁の犯罪統計資料で確かめられます。

前のレッスンで見た犯罪白書は、法務省のサイトで全文を無料で読めます。令和7年版は、HTML・PDF・EPUBの3つの形で公開されています。

白書は年に1回なので、今年の数は載っていません。そこで役立つのが警察庁の犯罪統計資料です。2026年10月時点で、令和8年1〜8月分の暫定値まで載っています。

警察の取り組みは、警察庁の警察白書で読めます。2026年10月時点の最新は令和8年版です。

1つのテーマを深く知りたいなら、法務総合研究所の研究部報告があります。例えば第67号は、第6回犯罪被害実態(暗数)調査の報告で、全文をPDFで読めます。

02法律と裁判は、条文と司法統計で

法律の条文はe-Gov法令検索で、裁判所が扱った事件の数は司法統計で、どちらも無料で調べられます。

ニュースで「刑法が改正された」と聞いたら、e-Gov法令検索で条文を読めます。デジタル庁が運営する、いま施行されている法令を探せる政府のサイトです。

ただし、条文を自分の困りごとにあてはめて判断するのは難しいものです。具体的な相談は、弁護士などの専門家にしましょう。

裁判所の司法統計では、刑事事件や少年事件の数を調べられます。毎年の年報のほか、月ごとの速報値も公開されています。

03世界のデータと研究にも、無料で届く

国ごとの比較はUNODCのデータで、対策の効果の研究はキャンベル共同計画で、日本語の論文はCiNiiとJ-STAGEで探せます。

国連薬物・犯罪事務所(UNODC)のデータポータルでは、殺人や刑務所の人数などを国ごとに見られます。

「この対策は本当に効くのか」を知りたいなら、キャンベル共同計画が役立ちます。多くの研究を決まった手順で集めてまとめた系統的レビューを、無料で読める学術誌で公開しています。分野の1つが「犯罪と司法」です。

日本語の論文は、国立情報学研究所のCiNii Researchで探せます。科学技術振興機構のJ-STAGEでは、多くの学会誌の論文を無料で読めます。

知りたいこと資料・入口運営
日本の犯罪と処遇の長い動き犯罪白書(毎年・全文公開)法務省 法務総合研究所
1つのテーマの詳しい調査研究部報告法務省 法務総合研究所
今年の犯罪の数犯罪統計資料(月ごとの暫定値)警察庁
警察の取り組み警察白書(毎年)警察庁
法律の条文e-Gov法令検索デジタル庁
裁判所が扱った事件の数司法統計(年報・月報)裁判所
国ごとの比較UNODCデータポータル国連薬物・犯罪事務所
対策は効くのかCampbell Systematic Reviewsキャンベル共同計画
日本語の論文CiNii Research/J-STAGE国立情報学研究所/科学技術振興機構
知りたいことから選ぶ、無料で読める公的な資料(2026年10月時点)

あなたの場合は?

最近気になった犯罪のニュースを1つ思い出してください。表のどの資料で確かめられそうですか?

答えを書く必要はありません。少し思い浮かべるだけで、記憶に残りやすくなります。

覚えるのはこの3つ

  1. 日本の犯罪の動きは犯罪白書、今年の数は警察庁の犯罪統計資料で確かめる
  2. 法律の条文はe-Gov法令検索、裁判所の事件の数は司法統計で調べる
  3. 対策の効果はキャンベル共同計画の系統的レビュー、論文はCiNiiとJ-STAGEで探す

TERMSこのレッスンの用語

系統的レビューSystematic review

ある問いについての研究を、決まった手順で漏れなく集め、まとめて評価する研究方法。

司法統計Judicial statistics

裁判所が扱った事件の数などをまとめた統計。刑事・少年・家事・民事などに分かれる。

研究部報告Research Department Report (Research and Training Institute of the Ministry of Justice)

法務総合研究所が、犯罪や処遇の特定のテーマを調べてまとめた報告書。

LESSON 14-2 の確認

確認問題(全3問)

本文を見ずに答えてみましょう。思い出そうとすることが、いちばんの復習になります。

Q1. 今年の1月から最近までの犯罪の数(暫定値)が載っている資料はどれでしょう?

答えを見る

正解: 2. 警察庁の犯罪統計資料
警察庁の犯罪統計資料には、月ごとの暫定値が載ります。犯罪白書は年に1回なので、今年の数は入っていません。

Q2. 多くの研究を決まった手順で集めてまとめ、対策の効果を確かめた系統的レビューを公開しているのはどこでしょう?

答えを見る

正解: 3. キャンベル共同計画
キャンベル共同計画は、系統的レビューを無料で読める学術誌で公開しています。分野の1つが「犯罪と司法」です。

日常の場面で考える

Q3. 友人が「少年法が変わったらしい」と話しています。いま施行されている条文そのものを読むのに向いている入口はどれでしょう?

答えを見る

正解: 1. e-Gov法令検索
惜しい選択肢もありますが、ここがポイントです。条文そのものはe-Gov法令検索で読めます。統計やデータでは、法律の文言はわかりません。

レッスン14-2はここまでです

迷った問題は、その見出しの本文を読み直してから次に進みましょう。間違えた問題は復習ページに自動で入ります。

第14章 総まとめ のレッスン一覧
  1. 14-1講座全体の振り返り
  2. 14-2無料で読める公的な資料

講座の目次(全14章)へ

出典(10件)
  1. 法務省 法務総合研究所「犯罪白書」(各年版の全文と副題)
  2. 法務省 法務総合研究所「研究部報告」(各号の全文PDF)
  3. 警察庁「犯罪統計」(犯罪統計資料の確定値・暫定値)
  4. 警察庁「警察白書」(各年版)
  5. デジタル庁「e-Gov法令検索」
  6. 裁判所「司法統計」(年報・月報の検索)
  7. UNODC「Data Portal」(国連薬物・犯罪事務所)
  8. Sage「Campbell Systematic Reviews」(キャンベル共同計画の学術誌の紹介)
  9. 国立情報学研究所「CiNii Research」
  10. 科学技術振興機構「J-STAGE」