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第1章 犯罪学とは何か ・ レッスン1-2

犯罪はどう数えるのか。認知件数と犯罪白書

約5分 ・ 公開日 2026-10-04

このレッスンの問い

日本の犯罪の数は、20年前と比べて増えたと思いますか?減ったと思いますか?

読む前に、答えを少しだけ予想してみてください。当たっていなくても大丈夫です。

前のレッスンの復習(1問)

本文に入る前に、前のレッスンを思い出してみましょう。

レッスン1-1から

Q1. 前のレッスンの復習です。犯罪学の3つの問いのうち、「人はなぜ法を破るのか」はどれに当たるでしょう?

答えを見る

正解: 2. 法を破る
原因を問うのは「法を破る」の過程です。法をつくる側、社会が反応する側も犯罪学の問いでしたね。

01公式の数は「認知件数」

犯罪の公式の数は、警察が発生を知った事件の数で数え、これを認知件数と呼びます。

日本で犯罪の量を表すときは、警察が発生を知った事件の数を使います。これを認知件数と呼びます。人口10万人あたりに直した数は、発生率といいます。

警察などが検挙した事件の数は、検挙件数です。検挙件数を認知件数で割って100を掛けた割合を、検挙率と呼びます。

これらの数字は、法務省の法務総合研究所がまとめる犯罪白書で読めます。犯罪の情勢と、罪を犯した人の処遇の実情を毎年報告する白書です。

数字意味2024年の値
認知件数警察が発生を知った事件の数73万7,679件
発生率人口10万人あたりの認知件数595.9
検挙率検挙件数÷認知件数×10038.9%
犯罪統計の基本の数字(刑法犯、2024年。令和7年版犯罪白書より)

022002年をピークに大きく減った

刑法犯の認知件数は2002年の約285万件をピークに減り、2024年は約74万件でした。

令和7年版の犯罪白書によると、刑法犯の認知件数は1996年から毎年、戦後最多を更新しました。2002年には285万3,739件に達しました。

その後は減少に転じ、2015年から2021年まで戦後最少を更新しました。2022年から3年連続で増え、2024年は73万7,679件でした。

減少のおもな理由は、刑法犯の7割近くを占める窃盗が大きく減り続けたことです。2024年の検挙率は38.9%でした。

なお2020年と2021年は、新型コロナウイルス感染症が広がった時期で、認知件数は大きく減りました。2024年は、感染拡大前の2019年の98.5%の水準でした。

03数字は「警察が知った犯罪」だけ

認知件数は実際に起きた犯罪のすべてではなく、警察が知った分だけの数です。

被害に遭っても、警察に届けない人がいます。届けられなかった犯罪は、認知件数には入りません。

届け出やすい仕組みができると、実際の犯罪が同じでも認知件数が増えることがあります。前のレッスンで見たように、法の決め方でも数は変わります。

ですから「認知件数が増えた、だから治安が悪くなった」とすぐに決めつけないことが大切です。届けられない犯罪をどう知るかは、次のレッスンで学びます。

あなたの場合は?

「最近、犯罪が増えた」と聞いたら、それがどの数字で、何年と比べた話なのかを確かめてみませんか?

答えを書く必要はありません。少し思い浮かべるだけで、記憶に残りやすくなります。

覚えるのはこの3つ

  1. 公式の犯罪の数は、警察が発生を知った件数=認知件数
  2. 刑法犯の認知件数は2002年の約285万件がピーク、2024年は約74万件
  3. 認知件数は警察が知った分だけ。増えた=治安悪化とすぐ決めない

TERMSこのレッスンの用語

認知件数Recorded crime

警察が発生を認知した事件の数。

検挙率Clearance rate

検挙件数を認知件数で割り、100を掛けた割合。

犯罪白書White Paper on Crime

法務総合研究所が毎年まとめる、犯罪の情勢と処遇の実情の報告。

LESSON 1-2 の確認

確認問題(全3問)

本文を見ずに答えてみましょう。思い出そうとすることが、いちばんの復習になります。

Q1. 認知件数の意味として正しいものはどれでしょう?

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正解: 2. 警察が発生を知った事件の数
認知件数は、警察が発生を知った事件の数です。実際に起きた犯罪のすべてではない点がポイントです。

Q2. 令和7年版犯罪白書で、刑法犯の認知件数が戦後最多だった年はどれでしょう?

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正解: 2. 2002年
2002年の285万3,739件が戦後最多です。1996年は増加が始まった年、2024年は約74万件でした。

日常の場面で考える

Q3. ニュースで「ある犯罪の認知件数が前の年より増えた」と伝えられました。最初に考えたいことはどれでしょう?

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正解: 2. 届け出の増え方や数え方の変化も含めて、理由を考える
惜しい考え方もありますが、認知件数は届け出や法の変化でも動きます。断定も無視もせず、理由を確かめるのが犯罪学の読み方です。

レッスン1-2はここまでです

迷った問題は、その見出しの本文を読み直してから次に進みましょう。間違えた問題は復習ページに自動で入ります。

第1章 犯罪学とは何か のレッスン一覧
  1. 1-1犯罪学とは何か
  2. 1-2認知件数と犯罪白書
  3. 1-3暗数とは何か
  4. 1-4犯罪学の研究方法

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出典(4件)
  1. 法務省 法務総合研究所『令和7年版 犯罪白書』第1編第1章第1節1「認知件数と発生率」
  2. 法務省 法務総合研究所『令和7年版 犯罪白書』第1編第1章第1節2「検挙件数と検挙率」
  3. 法務省 法務総合研究所『令和7年版 犯罪白書』凡例(用語の定義)
  4. 法務省「犯罪白書」(白書の目的と各年版)