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第9章 少年非行 ・ レッスン9-1

少年法と非行少年の3つの種類。18・19歳はどう変わったか

約4分 ・ 公開日 2026-10-04

このレッスンの問い

13歳と15歳が、同じ店で同じ物を万引きしました。法律上の扱いは同じだと思いますか?

読む前に、答えを少しだけ予想してみてください。当たっていなくても大丈夫です。

01少年法の「少年」は20歳未満

少年法では20歳に満たない人を「少年」と呼び、その事件を大人とは別の手続きで扱います。

少年法は、1948年にできた法律です。この法律の「少年」は、20歳に満たない人のことで、男女を問いません。

少年法の第1条は、目的を「少年の健全な育成」と定めています。罰を与えることよりも、性格や環境を整えて立ち直らせることを重く見る考え方です。

そのため、少年の事件は原則としてすべて家庭裁判所に送られます。処分を決めるのは家庭裁判所です。

02非行少年は3つの種類に分かれる

家庭裁判所の審判を受ける少年は、犯罪少年・触法少年・ぐ犯少年の3種類です。

1つ目は、罪を犯した14歳以上の少年で、犯罪少年と呼びます。2つ目は、14歳になる前に刑罰法令に触れる行為をした触法少年です。

刑法は、14歳に満たない人の行為は罰しないと定めています。そのため触法少年は、同じ行為をしても法律上は罪を犯したことになりません。

3つ目のぐ犯少年は、18歳未満で、親の正当な監督に従わない、理由なく家に寄りつかないなどの事情がある少年です。そのうえで、性格や環境から将来罪を犯すおそれがあると見られる場合に当たります。

冒頭の問いでいえば、万引きをした13歳は触法少年、15歳は犯罪少年です。まだ罪を犯していなくても、家出やいかがわしい場所への出入りが続けば、ぐ犯少年とされることがあります。

0318歳と19歳は「特定少年」になった

2022年4月の改正で18歳と19歳は「特定少年」となり、少年法の対象のまま、扱いの一部が大人に近づきました。

2022年4月1日、民法の成年年齢が18歳に下がりました。同じ日に改正少年法が施行され、18歳と19歳を特定少年と呼ぶことになりました。

特定少年も少年法の対象で、事件はすべて家庭裁判所に送られます。ただし、民法上は成年なので、ぐ犯少年としては扱われなくなりました。

また、法定刑の下限が1年以上の重い罪などは、原則として検察官に送り返され、大人と同じ刑事裁判を受けます。起訴されると、名前や顔写真など本人とわかる報道も禁止されなくなります(略式手続で罰金などになる場合は除きます)。

種類年齢どんな少年か特定少年(18・19歳)
犯罪少年14歳以上20歳未満罪を犯した少年当てはまる
触法少年行為の時に14歳未満刑罰法令に触れる行為をしたが、罪にはならない少年当てはまらない
ぐ犯少年18歳未満親の監督に従わないなどの事情があり、将来罪を犯すおそれがある少年対象外になった
家庭裁判所の審判を受ける少年の3つの種類(少年法第3条・裁判所の説明より)

あなたの場合は?

あなたが18歳になったとき、「大人として扱われるようになった」と感じたことは何でしたか?

答えを書く必要はありません。少し思い浮かべるだけで、記憶に残りやすくなります。

覚えるのはこの3つ

  1. 少年法の「少年」は20歳未満。事件は原則すべて家庭裁判所に送られる
  2. 3つの種類:犯罪少年(14歳以上)・触法少年(14歳未満)・ぐ犯少年(将来のおそれ)
  3. 18・19歳は特定少年。ぐ犯の対象外になり、重い罪は原則として刑事裁判へ

TERMSこのレッスンの用語

触法少年Child who has violated criminal laws (under 14)

14歳になる前に刑罰法令に触れる行為をした少年。刑法上は罰せられず、罪を犯したことにならない。

ぐ犯少年Pre-delinquent juvenile

18歳未満で、親の監督に従わないなどの事情があり、性格や環境から将来罪を犯すおそれがある少年。

特定少年Specified juvenile (aged 18-19)

2022年4月施行の改正少年法で定められた、18歳と19歳の少年。

LESSON 9-1 の確認

確認問題(全3問)

本文を見ずに答えてみましょう。思い出そうとすることが、いちばんの復習になります。

Q1. 13歳のときに、店の商品を万引きした少年は、どの種類に当たるでしょう?

答えを見る

正解: 2. 触法少年
ここがポイントです。刑法は14歳未満の行為を罰しないので、14歳になる前の行為は「罪」にならず、触法少年として扱われます。

Q2. 特定少年(18・19歳)について、正しいものはどれでしょう?

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正解: 2. ぐ犯少年としては扱われない
特定少年も少年法の対象で、事件はすべて家庭裁判所に送られます。民法上は成年なので、ぐ犯の規定が使われなくなりました。

日常の場面で考える

Q3. 19歳の友人が「少年法があるから、何をしても名前は絶対に出ない」と言っています。正しい説明はどれでしょう?

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正解: 2. 重い罪で起訴されるなどすると、名前などの報道が禁止されなくなる
惜しい思い込みです。特定少年が起訴されると、本人とわかる報道の禁止が解除されます。略式手続で罰金などになる場合は除かれます。

レッスン9-1はここまでです

迷った問題は、その見出しの本文を読み直してから次に進みましょう。間違えた問題は復習ページに自動で入ります。

第9章 少年非行 のレッスン一覧
  1. 9-1少年法と非行少年の種類
  2. 9-2少年事件の流れ
  3. 9-3少年非行の動向

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出典(4件)
  1. 少年法(昭和23年法律第168号)第1条・第2条・第3条・第61条・第62条・第65条・第68条(e-Gov法令検索)
  2. 刑法(明治40年法律第45号)第41条(e-Gov法令検索)
  3. 裁判所「裁判手続 少年事件Q&A」
  4. 法務省「少年法が変わります!」(2022年4月1日施行の改正少年法の概要)