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第8章 被害者学 ・ レッスン8-3犯罪被害者を支える制度。日本の被害者支援の流れ
約5分 ・ 公開日 2026-10-04
このレッスンの問い
もし身近な人が事件の被害に遭ったら、国や社会からどんな支えを受けられると思いますか?
読む前に、答えを少しだけ予想してみてください。当たっていなくても大丈夫です。
前のレッスンの復習(1問)
本文に入る前に、前のレッスンを思い出してみましょう。
Q1. 前のレッスンの復習です。「一度入った犯人が家の中や逃げ道を知り、また戻ってくる」という反復被害の説明はどれでしょう?
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正解: 2. 後押し(ブースト)の説明
最初の犯行が次の犯行を呼ぶのが後押しの説明でした。目印の説明は、もともと狙われやすい場所が別々の犯人に選ばれる、という考え方です。
被害に遭ったときの相談先
この講座は学習用で、個別の相談の代わりにはなりません。被害に遭ったときは、一人で抱え込まずに公的な相談窓口を利用できます。いま危険が迫っているときは110番に通報してください。
- 警察相談専用電話 #9110(緊急ではない警察への相談全般。かけた地域の警察本部などの窓口につながります)
- 性犯罪被害相談電話 #8103(ハートさん。かけた地域の都道府県警察の性犯罪被害相談窓口につながります)
- 法テラス 犯罪被害者支援ダイヤル 0120-079714(支援窓口や制度の案内、弁護士の紹介。平日9〜21時、土曜9〜17時。IP電話からは 03-6745-5601)
- 民間被害者支援団体の全国共通電話 0570-783-554(研修を受けた相談員による相談。最寄りの被害者支援センターにも直接相談できます)
01支援の土台は犯罪被害者等基本法
日本の被害者支援は、2004年に成立した犯罪被害者等基本法を土台にしています。
事件の被害は、けがやお金の損失だけでは終わりません。眠れない、仕事に行けない、裁判の仕組みがわからないといった困りごとが続きます。
そこで2004年、被害者のための施策をまとめて進める法律ができました。これを犯罪被害者等基本法と呼びます。
この法律は、被害者本人だけでなく、その家族や遺族も支援の対象にしています。被害を受けたときから平穏な生活に戻るまで、途切れずに支援を受けられることを基本理念にしています。
02お金の支え。犯罪被害給付制度
故意の犯罪で亡くなった人の遺族や、重いけが・障害を負った人には、国が給付金を支給します。
この仕組みを犯罪被害給付制度と呼び、1981年1月に始まりました。給付金は遺族給付金・重傷病給付金・障害給付金の3種類で、一時金として支払われます。
対象は人の命や体を傷つける故意の犯罪で、不注意(過失)による事故は含みません。申請先は住所地の都道府県公安委員会です。期限は原則として、被害を知った日から2年、発生から7年です。
2024年6月には、支給額が大きく引き上げられました。警察庁の試算例では、6歳の子が亡くなり両親が受け取る場合、320万円だった額が1,060万円になります。
03裁判と相談の支え
被害者は刑事裁判に参加でき、弁護士や相談窓口の支援も受けられます。
以前は、被害者や遺族の多くが傍聴席で裁判を見守るしかありませんでした。2008年12月に被害者参加制度が始まり、一定の事件では裁判所の許可を得て裁判に参加できるようになりました。
参加すると、法廷で検察官の隣などに座り、被告人に質問したり意見を述べたりできます。2026年1月には、法テラスが原則として費用を負担し、弁護士が早い段階から継続して援助する犯罪被害者等支援弁護士制度も始まりました。
たとえば、帰り道で突然殴られてけがをしたとします。手続きで迷ったときは、警察や法テラス、民間の被害者支援センターに相談できます。
| 支えの種類 | 制度 | 内容 | 始まり |
|---|---|---|---|
| 全体の土台 | 犯罪被害者等基本法 | 家族・遺族も含め、途切れない支援を国と自治体の責務にする | 2004年成立 |
| お金 | 犯罪被害給付制度 | 故意の犯罪による死亡・重傷病・障害に、国が一時金を支給 | 1981年(2024年に増額) |
| 裁判 | 被害者参加制度 | 一定の事件で、裁判所の許可を得て裁判に参加する | 2008年12月 |
| 法律の専門家 | 犯罪被害者等支援弁護士制度 | 殺人・性犯罪・重いけがなどで、弁護士が早くから継続して援助する | 2026年1月 |
あなたの場合は?
あなたが住んでいる市区町村には、犯罪被害者のための相談窓口があるか知っていますか?
答えを書く必要はありません。少し思い浮かべるだけで、記憶に残りやすくなります。
覚えるのはこの3つ
- 支援の土台は2004年の犯罪被害者等基本法。家族や遺族も対象で、途切れない支援を目指す
- 犯罪被害給付制度は、故意の犯罪による死亡・重傷病・障害に国が一時金を支給する(2024年に増額)
- 被害者参加制度(2008年〜)で裁判に参加でき、2026年からは支援弁護士制度も始まった
TERMSこのレッスンの用語
被害者と家族・遺族のための施策を、国や自治体が総合的に進めるよう定めた法律。2004年に成立。
故意の犯罪で亡くなった人の遺族や、重傷病・障害を負った人に、国が一時金を支給する制度。
一定の事件の被害者や遺族が、裁判所の許可を得て刑事裁判に参加し、被告人への質問などができる制度。
LESSON 8-3 の確認
確認問題(全3問)
本文を見ずに答えてみましょう。思い出そうとすることが、いちばんの復習になります。
Q1. 犯罪被害給付制度の対象になるのは、次のうちどれでしょう?
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正解: 1. 故意の暴行で重いけがを負った人
対象は、人の命や体を傷つける故意の犯罪です。過失による事故や、お金や物だけの被害は対象に入りません。
Q2. 被害者参加制度でできることとして、正しいものはどれでしょう?
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正解: 2. 裁判所の許可を得て、法廷で被告人に質問する
参加が許可されると、法廷で被告人に質問したり意見を述べたりできます。判決を決めるのは裁判所で、起訴するのは検察官です。
Q3. 知人が夜道で突然殴られ、けがをしました。「手続きがわからない、誰に聞けばいいの」と困っています。このレッスンの内容に合う声かけはどれでしょう?
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正解: 1. 警察や法テラス、被害者支援センターなどの相談窓口に聞いてみよう
ここがポイントです。被害者を支える制度は、知って申し出ることで使えるものが多くあります。給付金の申請には期限もあるので、まず相談窓口で情報を得るのが近道です。