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第11章 刑罰・更生・再犯防止 ・ レッスン11-1

刑罰の種類とは?拘禁刑と罰金、執行猶予のしくみ

約5分 ・ 公開日 2026-10-04

このレッスンの問い

有罪になった人の多くは刑務所に入る、と思いますか?それとも、もっと多い刑があるでしょうか?

読む前に、答えを少しだけ予想してみてください。当たっていなくても大丈夫です。

01刑罰は5つの主刑と、付け加える没収

日本の刑罰は、死刑・拘禁刑・罰金・拘留・科料の5つの主刑と、付け加える没収です。

刑罰の種類は、刑法第9条が決めています。それだけで言い渡せる刑を主刑と呼び、重い順に死刑、拘禁刑、罰金、拘留、科料です。

主刑に付け加えてだけ科せる刑を、付加刑と呼びます。没収がこれにあたり、犯罪に使った物や、犯罪で得た物などを取り上げます。

拘禁刑と拘留は、刑事施設に入れる刑です。罰金と科料は、お金を納めさせる刑です。死刑は、刑事施設の中で絞首して執行すると定められています。

02懲役と禁錮は「拘禁刑」になった

2025年6月1日、懲役と禁錮が廃止され、1つの拘禁刑にまとめられました。

以前は、刑務所に長く入れる刑が2つありました。懲役は決められた作業をさせる刑で、禁錮は施設に入れるだけの刑でした。

2022年6月に刑法等の改正が成立し、2つは拘禁刑に一本化されました。導入は2025年6月1日です。期間は無期と有期があり、有期は1か月以上20年以下です。

拘禁刑では、改善更生のために必要な作業をさせ、または必要な指導をすることができます。全員に同じ作業をさせるのではなく、一人一人に合わせて組み合わせるのがねらいです。

03いちばん多いのは罰金。執行猶予も多い

有罪の確定で最も多いのは罰金で、刑務所に入る刑でも多くに執行猶予が付きます。

罰金は1万円以上、科料は1000円以上1万円未満を納めさせる刑です。納められないときは、労役場という所に留置されます。

令和7年版犯罪白書によると、2024年に裁判が確定した人は20万3801人でした。そのうち15万6550人、およそ77%が罰金でした。

刑を言い渡したうえで、その執行をしばらく見合わせる制度を執行猶予と呼びます。3年以下の拘禁刑か50万円以下の罰金なら、1年以上5年以下の期間で付けられます。

猶予の期間を取り消されずに過ごせば、刑の言い渡しは効力を失います。2024年に有期の懲役が確定した4万2443人のうち、64.2%に刑の全部の執行猶予が付きました。

身近な例が、スピード違反などの反則金です。期限内に反則金を納めれば、刑事事件として刑罰は科されません。反則金は罰金とは別のものなのです。

種類中身条文
死刑刑事施設の中で絞首して執行する第11条
拘禁刑施設に入れる。無期と1か月〜20年。作業や指導を行える第12条
罰金1万円以上を納めさせる第15条
拘留1日以上30日未満、施設に入れる第16条
科料1000円以上1万円未満を納めさせる第17条
没収(付加刑)犯罪に使った物や、犯罪で得た物などを取り上げる第19条
刑法が定める刑罰の種類(主刑は重い順)

あなたの場合は?

ニュースで「懲役」という言葉を聞いたことはありますか?今なら何という刑になるか、考えてみましょう。

答えを書く必要はありません。少し思い浮かべるだけで、記憶に残りやすくなります。

覚えるのはこの3つ

  1. 刑罰は主刑5つ(死刑・拘禁刑・罰金・拘留・科料)と、付け加える没収
  2. 2025年6月1日、懲役と禁錮は拘禁刑に一本化。作業と指導を一人一人に合わせる
  3. 最も多い刑は罰金。執行猶予は、刑の執行をしばらく見合わせる制度

TERMSこのレッスンの用語

拘禁刑Imprisonment (Kokin-kei)

刑事施設に入れる刑。2025年6月1日に懲役と禁錮をまとめて創設され、改善更生のための作業や指導を行える。

執行猶予Suspension of execution of sentence

刑を言い渡したうえで、一定の期間その執行を見合わせる制度。取り消されずに期間を過ごすと、刑の言い渡しは効力を失う。

主刑Principal punishment

それだけで言い渡せる刑。死刑・拘禁刑・罰金・拘留・科料の5つ。

LESSON 11-1 の確認

確認問題(全3問)

本文を見ずに答えてみましょう。思い出そうとすることが、いちばんの復習になります。

Q1. 2025年6月1日に、刑罰の種類はどう変わったでしょう?

答えを見る

正解: 2. 懲役と禁錮が拘禁刑にまとめられた
ここがポイントです。施設に入れる刑だった懲役と禁錮が、拘禁刑に一本化されました。罰金・科料・没収は今もそれぞれ別の刑です。

Q2. 執行猶予の説明として正しいものはどれでしょう?

答えを見る

正解: 1. 刑を言い渡したうえで、その執行をしばらく見合わせる
執行猶予は、刑の言い渡しはしたうえで執行を見合わせる制度です。取り消されずに期間を過ごせば、刑の言い渡しは効力を失います。

日常の場面で考える

Q3. 友人が「スピード違反で反則金を払ったから、罰金の刑を受けたことになる」と心配しています。正しい説明はどれでしょう?

答えを見る

正解: 3. 期限内に反則金を納めれば、刑事事件として刑罰は科されない
惜しい思い込みですが、反則金は罰金とは別のものです。期限内に納めれば、刑事事件として刑罰は科されません。

レッスン11-1はここまでです

迷った問題は、その見出しの本文を読み直してから次に進みましょう。間違えた問題は復習ページに自動で入ります。

第11章 刑罰・更生・再犯防止 のレッスン一覧
  1. 11-1刑罰の種類
  2. 11-2刑務所の中の処遇
  3. 11-3仮釈放と保護観察
  4. 11-4再犯防止

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出典(4件)
  1. 刑法(明治40年法律第45号)第9条〜第19条、第25条、第27条(e-Gov法令検索。改正前の第12条・第13条も同サイトの履歴で確認)
  2. 法務省「拘禁刑の創設について」(広報誌「法務省」第89号)
  3. 法務総合研究所「令和7年版 犯罪白書」第2編第3章第2節 確定裁判(2-3-2-1表)
  4. 警視庁「交通反則通告制度」