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第11章 刑罰・更生・再犯防止 ・ レッスン11-4再犯防止。データで見る再犯と、効果のある取り組み
約5分 ・ 公開日 2026-10-04
このレッスンの問い
「検挙された人の約半分が再犯者」と聞いたら、「罪を犯した人の半分がまた罪を犯す」という意味だと思いますか?
読む前に、答えを少しだけ予想してみてください。当たっていなくても大丈夫です。
前のレッスンの復習(1問)
本文に入る前に、前のレッスンを思い出してみましょう。
Q1. 前のレッスンの復習です。刑務所に入っている人の仮釈放を許すかどうかを決めるのは、どこだったでしょう?
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正解: 1. 地方更生保護委員会
地方更生保護委員会でした。全国8か所にあり、委員が話し合って仮釈放の許否を決めます。仮釈放の期間中は保護観察を受けます。
01「再犯者率」と「再犯率」は別の数字
再犯者率は「検挙された人のうち、前にも検挙されたことがある人の割合」で、また罪を犯した人の割合とは分母が違います。
学校の遅刻で考えてみましょう。今日遅刻した人のうち前にも遅刻した人の割合と、先月遅刻した人のうちまた遅刻した人の割合。どちらも「くり返し」の数字ですが、分母がまったく違います。
犯罪白書の再犯者率は、前者の考え方です。刑法犯で検挙された人のうち、前にも検挙されたことがある人の割合を指します。2024年は46.2%でした(令和7年版犯罪白書)。
これは「罪を犯した人の半分がまた罪を犯す」という意味ではありません。再犯者の数は2006年をピークに減りましたが、初めて検挙される人がそれ以上に速く減ったため、割合は長く上がり続けました。2021年からは4年続けて下がっています。
02出所した人の「その後」を追う
刑務所を出た人がその後どれだけ戻ったかは、2年以内再入率という数字で見ます。
2年以内再入率は、ある年に刑務所を出た人のうち、出た年の翌年末までに再び刑務所に入った人の割合です。同じ人たちのその後を追うので、また罪を犯した人の割合に近い考え方です。
1999年に出所した人では23.4%でした。その後は下がり、2023年に出所した人では13.8%です。
政府は2012年に、この数字を2021年までに16%以下にする目標を立てました。2019年の出所者で15.7%となり、目標を達成しています。
03何が再犯を減らすのか
国は仕事と住まいの支えを法律の柱にし、研究では考え方と行動を練習するプログラムの効果が確かめられています。
2016年の再犯の防止等の推進に関する法律は、罪を犯した人の多くが仕事や住まいを確保できず、社会に戻りにくいと指摘しています(第3条)。そのうえで国に、就労の支援(第12条)や住居の確保の支援(第15条)を求めています。
それでも2024年に、刑務所を出るとき適切な帰る先がない人は2,179人(14.5%)いました。罪を犯した人を雇おうとする協力雇用主は約2万5千社ですが、実際に雇っていたのは801社です(2024年)。
研究では、リプシーが少年への取り組みの研究548件をまとめ、罰や抑止をねらうものはむしろ再犯を増やす傾向だと報告しました(2009年)。一方、考え方のくせに気づき行動を練習する認知行動療法のプログラムは、再犯を減らす効果が大きいほうでした。
58件の研究をまとめた別のメタ分析でも、刑務所でも社会の中でも効果があり、再犯の危険が高い人にも効いていました。仕事や教育などの支えと組み合わせると、より効果が高いとされています。
| 再犯者率 | 2年以内再入率 | |
|---|---|---|
| 何の中の割合か | その年に刑法犯で検挙された人 | ある年に刑務所を出た人 |
| 数える人 | 前にも検挙されたことがある人 | 翌年末までに再び刑務所に入った人 |
| わかること | 検挙された人の顔ぶれ | 出所した人のその後 |
| 最新の値 | 46.2%(2024年) | 13.8%(2023年出所者) |
あなたの場合は?
あなたの住む町で、刑務所を出た人が仕事と住まいを見つけるには、どんな助けがあるとよいと思いますか?
答えを書く必要はありません。少し思い浮かべるだけで、記憶に残りやすくなります。
覚えるのはこの3つ
- 再犯者率は「検挙された人のうち再犯者の割合」。また罪を犯した人の割合とは分母が違う
- 2年以内再入率は、1999年出所者の23.4%から2023年出所者の13.8%へ下がった
- 再犯防止推進法(2016年)は仕事と住まいの支えが柱。研究では認知行動療法のプログラムに効果
TERMSこのレッスンの用語
刑法犯で検挙された人のうち、前にも検挙されたことがある人(再犯者)の割合。
ある年に刑務所を出た人のうち、出た年の翌年末までに再び刑務所に入った人の割合。
考え方のくせに気づいて見直し、新しい行動を練習することで、行動を変えていく方法。
LESSON 11-4 の確認
確認問題(全3問)
本文を見ずに答えてみましょう。思い出そうとすることが、いちばんの復習になります。
Q1. 2024年の再犯者率46.2%が表しているのはどれでしょう?
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正解: 2. 刑法犯で検挙された人のうち46.2%が、前にも検挙されたことがある人だった
惜しい選択肢もありますが、ここがポイントです。再犯者率の分母は「その年に検挙された人」です。罪を犯した人のうち何割がくり返すかを表す数字ではありません。
Q2. 再犯の防止等の推進に関する法律(2016年)が、社会に戻りにくい理由として挙げているのはどれでしょう?
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正解: 1. 多くの人が安定した仕事や住まいを確保できないこと
法律の第3条は、仕事と住まいの確保が難しいことを挙げています。そのため就労の支援(第12条)や住居の確保の支援(第15条)が国の施策に入っています。
Q3. ニュースで「検挙された人に占める再犯者の割合が上がった」と聞きました。それだけで「再犯が増えた」と言えないのはなぜでしょう?
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正解: 3. 初めて検挙される人が大きく減ると、再犯者が減っていても割合は上がるから
ここがポイントです。日本でも、再犯者の数が減る中で初犯者がそれ以上に減り、再犯者率が上がり続けた時期がありました。割合を見るときは、分母と人数の両方を確かめましょう。